開催にあたって

社会医療法人社団慶友会 慶友整形外科病院
副院長・スポーツ医学センター長
古島弘三

ぐんま野球フェスタ2019、2020の成功を受け、2025年1月13日、3回目の現地開催となる「ぐんま野球フェスタ2025」を開催いたします。コロナ禍ではオンライン形式の開催が続いていましたが、対面で再び皆様と直接お話しできることを心より嬉しく思います。
このフェスタは、群馬大学整形外科学教室、鶴谷病院、ぐんまスポーツ整形外科、慶友整形外科病院など、県内の医療機関が力を合わせ、子どもたちの健やかな成長と競技生活を支えるために発足しました。また、群馬県スポーツ少年団様や各野球連盟の皆様、さらにALSOKぐんまスポーツセンターのご協力を得て、このような場を設けることができました。深く感謝申し上げます。
近年、野球界では「球数制限」が注目を集め、その是非についてさまざまな議論が行われています。「制限」という言葉には否定的なイメージを持たれがちですが、この取り組みの本質は、選手たちの「未来を守る」ことにあります。学童や中学生といった成長期の選手たちは、身体が未成熟であるため、試合で肘や肩を酷使することで将来的な障害につながるリスクが高まっています。
実際に、少年期に過度な投球を繰り返した結果、高校生や大学生、さらにはプロを目指す段階で肩や肘の痛みに悩む選手が後を絶ちません。一度損傷した靭帯や軟部組織が完全に元に戻ることは難しく、医療現場では中学生で手術を必要とするケースも増えています。このような背景を踏まえ、球数制限は「自由を奪う制約」ではなく、「選手たちを守るための選択肢」として捉えていただきたいと考えています。
少年野球において、私たち大人が果たすべき役割は、目先の勝利だけを追い求めるのではなく、選手たち一人ひとりの可能性を見出し、それを最大限に広げることです。健康に成長し、競技を楽しみながら将来の夢を描ける環境を整えるためには、今ここでの取り組みが重要です。
ぐんま野球フェスタ2025では、選手の健康を守りながら、その可能性を引き出すための指導法や育成方針について、指導者や保護者の皆様とともに考える場を提供します。本イベントの指導者講習会では、具体的な指導方法や最新の医療的知見に基づく障害予防策をお伝えします。また、保護者の皆様にもぜひご参加いただき、子どもたちの育成における役割について改めて考える機会にしていただきたいと思います。
子どもたちが安心して野球を楽しむ姿を守るため、そして笑顔があふれるフィールドを未来に残すために、ぜひご参加ください。ぐんま野球フェスタ2025が、指導者と保護者がともに考え、行動するきっかけとなることを願っています。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

2024年12月吉日

社会医療法人鶴谷会 鶴谷病院
理事長
鶴谷英樹

慶友整形外科病院の古島弘三先生には、当院で少年野球障害を中心とした外来を担当していただき、先生のご指導のもと当院のリハビリテーションスタッフも少年野球肘のような障害予防指導に携わることができるようになりました。そのため今回のぐんま野球フェスタ2025の開催に際しまして当院でもできる限りのご協力を致したく主催に加わらせていただきました次第です。ぐんま野球フェスタ2025が、今後も野球を通じて地域の絆が深まり、参加者全員が楽しみながら成長できる素晴らしいイベントとなることを期待して、共に素晴らしい大会になるとこを祈っております。何卒よろしくお願い申し上げます。

群馬大学 整形外科
田鹿毅
設楽仁

こんにちは。野球を楽しく、怪我なく、いつまでも行えるように、みんなのからだのチェック(野球肩肘検診)を担当します。これからみんなの肘に起こるかもしれない、また起こっているかもしれない痛みの原因を超音波でしらべます。またみんなが満足のいくプレーが行えるよう、全身の関節や筋肉をチェックします。野球をプレーするみんなの輝かしい未来の夢への実現のために、みんなのお手伝いができればと思っています。4年ぶりに対面で行われる野球フェスタで、多くのみんなに会えることを大変楽しみにしています。ぐんま野球フェスタ2025への多くの方々のご来場をお待ちしております。

ぐんまスポーツ整形外科
院長
山本敦史

皆さん、こんにちは!このぐんま野球フェスタは「楽しく野球をしたい」、「野球がもっと上手になりたい」というお子さんの気持ちと、「ケガなく野球をいつまでも続けさせてあげたい」、「野球を通じてたくさんのことを学んで欲しい」という私たち大人の気持ちを一つにすることができるイベントです。選手やご家族の皆さん、指導者や医療関係者の方々など野球に関わるすべての方の参加をお待ちしております!